「役員の移動手段として公共交通手段以外を考えているけど、具体的に何が良いのか悩んでいる」
「送迎用の車を会社役員に提供したいと考えているが、どの車種を選んだら良いのか判断に困っている」
「役員向けの送迎車を導入する利点や、車種選びの重要なポイントについて知りたい」
この記事は、上記のような疑問や迷いを持つ方々へ向けて、役員車を導入する際の利点やコスト削減の方法、おすすめの車種を詳しく説明しています。
役員の送迎車は、単なる移動手段にとどまらず、会社の品格を象徴する大切な要素となります。そのため、専属運転手を採用することを推奨する理由も同時に紹介します。ぜひ、最後までご一読いただき、役員車導入の参考にしていただければ幸いです。
役員車の導入・購入のメリット
役員車を導入したり購入すると、どんなメリットがあるのでしょうか？
以下、その主なメリットを2つ紹介いたします。
1つ目は、企業のブランドイメージを高めることができるという点です。
そして2つ目は、節税対策にもなるという点です。
ただし、役員車を導入する際には、購入費用だけでなく、メンテナンスコストや保険料といった長期的な経費が発生します。大きな経費が掛かるために、役員車導入のメリットをしっかりと理解し、効果的に運用できるよう計画することが重要となります。
以下、メリットについて詳しくご説明いたします。
企業イメージの強化
役員車は、その企業が持つ風格や印象を示す大切な要素であり、役員の地位に見合った格式高い送迎車は、ビジネスパートナーからの信頼を勝ち取るための有効な手段となるのです。
人と初めて会うとき、その初対面から受ける印象は非常に重要です。特に視覚から得る情報は、その人についての第一印象を大いに左右します。これは商談の場で使用する送迎車についても同様で、その車がどの程度の格式を持ち、どれだけ丁寧に手入れがされているかは、ビジネスパートナーが我々を評価する上での大切な要素となります。
一般的な大衆車を役員が使う車とするのは、それが一部の人々には安っぽく映るかもしれません。しかし、逆に親会社や取引先よりもはるかに高級な車を使用すると、相手が不快に感じ、誤解を生む可能性も考えられます。
ですから、自社の立場や取引先との関係性を冷静に分析し、その上で適切なタイミング、場所、そして相手に対して最適な役員車を選択することが重要です。車を購入する前には、取引先や同業の他社がどのような車を役員車として使用しているかを調査すると、それが適切な選択をするための参考になるでしょう。
節税対策
役員が利用する車は、事業で使われる大切な資産となります。このため、その購入費用は経費として計上することが可能です。仮に一般的な車を購入したとき、その減価償却期間は6年間と定められています。これは、購入費用の一部を毎年経費として計上できるという意味で、その結果、税金の節約につながります。[注1]
さらに、自動車の運用にかかる以下の5つの費用も、経費として計上することが可能です。
1. 車検代
2. ガソリン代
3. 自動車税
4. 自動車重量税
5. ガソリン税
また、減価償却期間中に自動車を売却すると、売却額が減価償却額を超えた分は利益として計上することができます。これは一時的に会社の収支を黒字に見せる際に有効な手段となります。ただし、自動車の売却額が購入額を超えることは稀であるため、実質的な利益とはならない点には注意が必要です。
[注1]国税庁「No.2100 減価償却のあらまし」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm
購入時の経費をなるべく抑える方法
経済的な負担を減らしながら役員車を手に入れるためには、購入方法が重要な要素となります。購入方法には、一括購入、ローン、そしてリースの三つのオプションが存在します。しかし、経費を最小限に抑えたいという目的がある場合、一括購入が最も推奨される方法となります。
それぞれの購入方法には、特有の長所と短所が存在します。以下に一覧表を作成しましたので、具体的な違いをご確認いただけます。
| 一括購入 | ローン | リース | |
| メリット | 利息が発生しない | 初期費用が安い | 初期費用が安い、リース会社が税金や保険などの手続きを負担 |
| デメリット | 初期費用が大きい、それぞれの経費を計算しなければならない | 利息が発生、返済期間が長いほど利息が大きくなる、それぞれの経費を計算しなければならない | 利息が発生、リース料が継続的に発生、それぞれの経費を計算しなければならない |
ローンやリースでは、返済期間が長ければ長いほど利息が増えてしまいます。特にリースの場合、維持費に対しても利息が発生するため、長期的に見ると負担が大きくなる可能性があります。
もしも、財政に余裕があり減価償却を早く終えたいということであれば、新車ではなく4年落ちの中古車を選ぶと良いでしょう。なぜなら、新車登録から4年間経過した中古車は、耐用年数が2年間と定められているからです。新車を購入すると6年間の減価償却期間が必要となりますが、中古車ならば2年間で完了します。このように、購入方法と減価償却の観点から、より経済的な役員車の選び方を考えることができます。
役員車として注目の人気車種4選
企業の役員を送迎するタスクを担当している車両の中で、特に人気を集めている車種を4つご紹介します。
選ばれた車種は次の通りです。
・クラウン
・センチュリー
・レクサス
・アルファード
これらの車種は全てトヨタ製です。世界的に見てもトップ10に名を連ねるトヨタは、国内外でその名を知られている自動車メーカーです。その製品は、安全性、デザイン、そして乗り心地において最上級の評価を受けています。これらの要素が高評価を受け、役員車としての使用においてもその人気は高まっています。
以下では、これらの車種がなぜ人気を博しているのか、各車種ごとにその理由を詳し解説します。
クラウン
クラウンの一番の魅力は、その内部空間が「全席特等席」であるという考え方に基づいていることです。まるで高級ラウンジにいるかのような広々とした空間と、快適なシートが実現されており、細部までこだわり抜かれています。大きな窓と高い視線位置は、運転中でも美しい景色を存分に楽しむことができ、また、十分なスペースがあるため、移動中でも仕事をするのに適しています。
外観のデザインも、落ち着きがありながらも力強さを感じさせるもので、高級車としての品格を十分に保っています。
また、スムーズな加速性能により、乗り心地も非常に良好です。さらに、安全機能も充実しており、混雑した道路や夜間の運転でも、ドライバーの負担を軽減することが可能です。
価格についても、400万円から600万円と、高級車の中では比較的手が届きやすい範囲になっています。このように、クラウンはコストパフォーマンスも高いと言えるでしょう。
センチュリー
センチュリーとは、日本の伝統的な美を体現した、豪華さが魅力の自動車です。車内のパネルやリアシートに至るまで、熟練職人の精巧な技術が投入され、会社の重役が利用する車として十分な品格と風格を備えています。
この車種は、運転手の座席よりもむしろ後部座席の設備が豊富で、乗車する人が主役となるよう設計されています。体に優しいクッション性のあるシートや広々としたフラットな足元など、重役クラスの人々が心地よく移動できるような配慮が見られます。また、ゴルフバッグなどがたっぷり収納できる大容量のスペースがあり、接待などの機会にも最適です。
さらに、高性能なエンジンが搭載されており、スムーズな走り出しと振動の少なさが特徴です。これにより、車内で新聞を読むなど、静かに過ごすことも可能です。メーカー希望小売価格は約2,000万円とされています。車内は遮音性に優れ、静寂と落ち着きあふれる空間を実現しています。
レクサス
レクサスはその高級感と品質から、一流のビジネスマンや経営者にも推奨される自動車として広く知られています。最近では、環境問題に対する関心を示すために、電気自動車専用のバッテリーを搭載した新型車もラインナップに追加されました。
レクサスは多種多様な車種を提供しており、価格帯も1000万円から2000万円と、一人ひとりのニーズや予算に合わせて選べる幅広さがあります。スタイリッシュなデザインだけでなく、レクサスは機能性にも重きを置いています。ハイブリッド技術のパイオニアとしての自負があり、エンジンはパワフルでありながらも燃費効率に優れています。さらに、シートにはマッサージ機能が備わっており、忙しい仕事の合間にリフレッシュする時間を提供します。
また、レクサスは専門のディーラーが存在することも他の自動車ブランドとは異なる特徴です。これにより、レクサスの車を試乗することができ、また、中古車の取り扱いも行っています。これらのサービスにより、レクサスは購入者のニーズに対応し、満足度の高いサービスを提供しています。
アルファード
アルファードと聞くと、一般的な自動車という感じがするかもしれませんが、実のところ、これはゲストを優雅に迎えるのに最適な車種なのです。驚くほど広大なサードシートやラゲージスペースなど、多くの収納スペースを備えており、あらゆるニーズに対応します。その上、最大7人もの乗客を乗せられる広々としたシートが、心地よい車内空間を作り出します。
外観に目を向けると、艶やかで高級感溢れるデザインが目を引きます。また、低燃費でありながら低排出ガスを実現しており、地球環境にも優しい仕様となっています。運転感覚は静かで洗練されている一方、ドライバーの意志に忠実に、直感的に反応します。メーカーの希望小売価格は350万円から800万円となっており、24時間365日対応のオペレーターサービスをオプションで追加することも可能です。
一見すると、車の段差が高齢者の方への負担になるのではないかと思うかもしれません。しかし、実際には、普通の乗用車に比べて乗り心地が良く、腰への負担も軽減されているので、長時間の移動でも快適に過ごすことができます。
専属運転手を推奨させていただきたい理由
経営者や役員が自身の車を手に入れる際に、私が推奨する選択肢の一つに専属の運転手を雇うというものがあります。その背後には主に2つの理由が存在しています。
一つ目は、予期せぬ事故が発生した際のリスクを軽減することです。運転には常に一定の危険性が伴いますが、専門的な訓練を受けた運転手がハンドルを握ることで、そのリスクは大幅に低減可能です。
二つ目には、これまで運転に費やしていた時間を他の有益な活動に使い回すことができるという利点があります。運転を他人に任せることで、その間にメールのチェックや次のミーティングの準備など、仕事に集中する時間が生まれます。
以上の2つの理由から、専属の運転手を雇うことを強くおすすめします。
万一の事故時のリスク軽減策
自動車の運転中に事故が起きてしまった際、その責任を担うのは通常、運転を行った人物となります。その人物が企業の役員などだった場合、その影響は社会的にも大きなものとなります。また、運転手を派遣する形態だった場合でも、結局のところ責任を負わざるを得ないのはその派遣先となります。
しかし、ここで運転の業務を委託するという形態（請負）を選択した場合、事故が起きてしまった場合の責任は委託先の会社が負うことになります。この形態で運転士を雇用することで、もしもの時のリスクを軽減することが可能となります。専属の運転手を雇用することで事故が起きた場合の補償問題や、企業の機密情報を保持するという責任も委託先が負うこととなるため、安心して利用することが可能です。
移動時間を有効に活用する方法
役員が自己の移動時間を最大限に活用するには、専属の運転手の雇用が有効であるといえます。運転を自分で行う場合、役員はその間、他の作業を行うことができません。さらに、運転による集中力の消耗は、目的地に到着した時点でのパフォーマンスに影響を及ぼし、仕事が思うように進まない可能性もあります。
しかし、専属の運転手がいれば、移動時間は役員にとって新たなチャンスとなります。乗車中に仕事の資料を確認したり、必要な休息をとったりと、時間を有効に活用することが可能になります。特に、業務量が多い役員にとって、運転手付きの送迎車はまさに「移動中のオフィス」のような存在となるでしょう。